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散文売りの少女 ダニエル ペナック Daniel Pennac 平岡 敦 / 白水社 ISBN : 456004743X スコア選択: 「職業的スケープゴート」マロセーヌ・シリーズ3作目。期待に違わず、すごく面白かったです!ほんっと、名手だわダニエル・ペナック。 私はミステリーが苦手でほとんど読まないのだけれど(推理する、というのがどうも面倒でダメ・・・)このシリーズだけは大好き。もっとも「推理したい」タイプのミステリー読者はこのシリーズってどうなんだろう。嘘みたいな大どんでんがえしが続くんだもの・・・。 マロセーヌ・シリーズの特徴と言えば、陰惨な死体が出てきても、話自体は明るくてハッピーなこと。何故なら主人公は「明るい家族」「素敵な恋人」「親代わりのご近所さん」「頼りになる幼馴染」「愉快な友達」の愛情に囲まれており、どんな苦難がめぐってきてもそれらの力で大団円を迎えられるから。でもって、一見いやみなこのハッピーさ加減が嫌味じゃないのは、主人公含め回りの登場人物が皆とても魅力的だからなのでした。まぁそんなとこも含め一種アニメ的とも言えるかも。 実際、何このひと、宮崎キャラ?と思った前作の強力キャラ・パストールが今回登場しなかったのは寂しかったなー。次作では再登場するんだろうか・・・。今回、個人的にかなり美味しいなーと思ったのはまだ赤ん坊のヴェルダン嬢(生れ落ちた瞬間から怒りわめいていたため、戦争にちなんで命名された・・・)。専属子守りと化したヴァン・チァン刑事に抱っこされつつ(おくるみはホルスターを覆う皮の背負いベルト。彼は赤ん坊用に特注の耳覆いを作らせ、銃を撃つときはさっとそのおくるみを背中に回すのだった。ちなみに百発百中。カッコイー。)常に怒りに眼をギラつかせている彼女は、次作からはセ・タン・ナンジュ(「天使だね」ちゃん)とコンビになるらしい。生まれついてのパンクスと生まれついての天使ちゃんのコンビか!たのしみ~♪
by etica
| 2004-12-19 21:30
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