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コカイン・ナイト J.G. バラード J.G. Ballard 山田 和子 / 新潮社 ISBN : 4105414011 誤解を受けそうなタイトルだけれども、内容は別に村上龍じゃないです(爆) SF作家の域を越えいまや「英国ナンバー1の現代作家」と言われるバラードだけど、SFを「思考実験小説」として捕らえるならば彼の作品はやはり充分にSF的だと思う。ミステリーの形を取ったこの「コカイン・ナイト」だけれど、終盤に近づくにつれ見え始めることの全容は「社会的な実験」としか言い様のないものだ。 ここのところ何故か?「ユートピア」そして「暴力」について考えさせられるものとの出会いが多かったのだけれど、この作品はまさに「犯罪によって支えられるユートピア」を描いている。以下ネタバレどころかモロバレなあらすじ。 トラヴェルライターとして世界中を飛び回っていた主人公は、弟フランクが殺人容疑で逮捕されたとの報を受け、彼がクラブ経営者として暮らしていたスペインの保養地エストレージャ・デ・マルに赴く。フランクが殺人などするわけはない、なんとしても彼を獄から出そうとするチャールズだが、再会したフランクは「自分がやった」との自白を取り下げない。 調査を進める主人公に人々は告げる「フランクになりかわり、ここの人間になってみないとこの事件は理解できない」と。 引退したブルジョアが過ごす集合住宅地域エストレージャ・デ・マルは、地上の天国を思わせる場所だった。だがその影にたくさんの犯罪が実際は存在することにチャールズは気付く。そしてそれらを影であやつるのが、他者への愛に満ち満ちた男・ボビーであるということにも・・・。 と、普通のミステリーならボビーが頭を務める犯罪組織の悪を描いて終わりでしょうが、「思考実験小説作家」バラードがそんなものを書くわけはないのでした。 引退したブルジョア達の住むエストレージャ・デ・マルは、かつて「脳死した町」であり、そこに住む人々は家に閉じこもり、ただ精神科医のもたらす安定剤とTVで生きていただけだった。ボビーはそれらの人々を蘇らす為にそこに犯罪を導入したのだ。 「君が今しがた見たのは未来だ。人々の労働する時間はますます短くなり、世界は果てない退屈と午睡に包まれる。・・・だが、私は彼らを目覚めさせるつもりだ」と静まり返った高級集合住宅地を前にして語る彼は、革命家・伝道者として犯罪により街を活性化させる。 エストレージャ・デ・マルで企てを完成させ、彼が次の「脳死した」街へ移ろうとしたまさにその時、丘の上の屋敷はそこに住む家族もろとも供物として燃やされた。彼が過ぎ去った後もこの町がユートピアである為に、コミューンの人々すべてが同じ「罪」を共有する必要があったのだ。・・・・・・ 人々すべてが同じ罪を共有することにより結びつく、と言えばシャーリィ・ジャクスンの「くじ」が有名ですが、(毎年1回決められた日に人々は進み出てくじをひかなければならない。たったひとつ、印のついたくじをひきあてた家族は、その場で他の村人全員に石を投げつけられ殺される、という短編。)考えてみたらこのネタってキリスト教社会には深く根ざしている気がする。なんせ「世界の罪を背負って死んだ神の子」およびそれを許した神を信仰する宗教だし。 別役実はキリストの死を直接指示した者がいないことに注目していたけど、「コカイン・ナイト」でも殺人を指揮した者は存在しない。それは各人それとは気付かぬまま無意識の中で進行し、コミューン全体の意志で犯された罪なのだ。 さて、ボビーのメソッドは彼が信じるほど確かなものなのか? その成果の程はともかく、ここで描かれた「脳死に至る世界」のイメージはとてもリアルだ。 周囲と隔絶した新興住宅地。住民は近くに幾つかある大学の教員が多く、家族ものしか住めないため学生や浮動する人々はいない。子供はみんな育って出て行ってしまったから年齢層はあがりっぱなし。噂といえば、誰それの奥様が宗教にはまってる話や、鬱病やらで精神内科に通ってるとかの話ばかり・・・。これは私の実家のある町の話。なんでご近所話がそんなのばっかなのよーと親に言ったら「(住民が)ちょうどそーゆー年代なんじゃない?」って言ってたけど、バラードが語るのは「いずれ世界中がそうなる」って予言なのだ。うわー。 会社でイランVSアメリカで株価が暴落、って話してて「でも暴力や犯罪は世界を活性化するって話もありますよー」って言ったら、なんだそれ、って言われたけど、んー、暴力、力については、ほんとよく考えてみなければならない時期だと思う・・・・・・
by etica
| 2004-03-03 17:44
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